
企業の地域貢献にはコミュニティ・リエゾンの存在が必須!!
コミュニティ・リエゾンの仕事を一言でいえば、コミュニティの「連携」だ。同様の機能の一部を提供している非営利団体や個人は日本にも存在するが、職域が確立されているわけではない。町内会長や民生委員では、おそらく代替にならない。
「さらに、チェックとバランスも必要です。透明性あるチェックと、力関係や発言力が偏らずバランスする関係を維持する必要があるでしょう。企業の『名ばかり社会貢献事業』にしないためには、コミュニティ・リエゾンや自治体の指導が必要です。それでこそ、意義や価値が生まれるのではないでしょうか」(廣見さん)
日本にも監査や指導はある。しかし、米国のコミュニティ・リエゾンの存在、コミュニティと自治体と企業の関係とは、似て非なるものだ。廣見さんが言う「チェックとバランス」を日本で実現するのは、容易ではないだろう。
ちなみに、廣見さんが住むボストン市・ダドリー地域には、かつて貧困と荒廃が集中していた。地域住民たちは、地域と住民の価値を高めるために立ち上がり、以後35年間、数多くの活動を展開し続けている。ダドリー地域を訪れるたびに、私は「住民自治とは」と考え込む。同じ意味での「自治」は、現在の日本にはない。