はじめに
「孤食」「心の貧困」の問題解決を目指しながら、地域の子どもを育てていきたいという思いから始めた「佐賀こども食堂」。
こども食堂が子どもも大人も一緒に食べられる「地域の公民館的存在になることで、年配の方や学生などの多世代が、地域で一緒になって子どもを育てていける場所になることを目指しています。
そんな中、コロナ禍で会食中止を余儀なくされ、運営側も含め人と人との交流が希薄になってしまいました。
それでも月に一回、継続して開催していくことにより、受け渡しの時に直接言葉を交わし、お子さん同士や親御さん同士、またボランティアの方とのネットワークも生まれ、第三者に話を聞いてもらえる大切な時間、場所となっています。
コロナ禍で状況が変化していく中でも、長く活動を続けていくために、運営側、参加者の子どもたちや親御さんのみならず、関わるボランティアの方々も安心安全に続けていける大切な場所となるための仕組みをつくります。
こども食堂とは
「こども食堂」とは、こどもが一人でも行ける無料または低額の食堂です。
地域住民や各種団体などが運営元となり、地域に住む子どもや親に対し食事を提供しており、運営を支援する公的な制度などが整備されていないにもかかわらず、こども食堂の輪は全国でどんどん広がっています。
「こども食堂は、月1回開催のところから365日3食を提供しているところまで、数人を対象としているところから毎回数百人が集まるところまで、実に多様です。
目的もおなかをすかせた子どもへの食事提供から、孤食の解消、滋味豊かな食材による食育、地域交流の場づくりと、さまざまです」(NPO法人全国こども食堂支援センターHPより)
コロナ禍において、開催が難しくなる中、お弁当の配布や食材の配布など、活動内容を変えて、地域の子ども達やその保護者間でのつながりを守り続けています。
誰もが安心安全な「こども食堂」のしくみを作りたい
「佐賀こども食堂」代表 宮崎知幸さんの思い
私がこども食堂を立ち上げた理由は、もともと食育に、特に「孤食」「心の貧困」の問題の解決を目指しながら、地域の子どもを育てていきたいという思いからでした。
今年の6月でついに7年目を迎え、小さい時から通ってくれているお子さんが小学生になったり、好き嫌いがあったのが食べれるものが増えたりと、色んな成長も一緒に見ることが出来て、改めてこの活動を続けてきてよかったと嬉しく思います。
また、活動を継続するには、食品や野菜を提供して下さる支援者様や、一緒に頑張ってくれるボランティアの方々の協力があってこそです。
しかし、一方でまだまだたくさんの課題があります。
子どもたちがたくさん参加してくれるのは、嬉しい反面、責任も伴い、コロナ禍ということもあり、制限した人数で頑張っているボランティアではどうしても目が届かないこともでてきたり。怪我や、物損など、完全にリスクをなくすことは難しいんです。
また、そうした中で、ボランティアの方たちが不安を抱き、せっかくの活動が継続できなかったり、反対に保護者からの不安の声も。
私たちは、人間同士、ましてや子どもの行動は時に思いもよらない結果をうむこともあります。そんな時に、運営側も、参加する側も安心して、「また来月も楽しみにしてます」って言ってもらえるような、「また来月もボランティア参加します!」と言ってもらえるような、誰もが安心安全な「こども食堂」のしくみを作りたいです。
また、食品を提供するには必ずついてまわる、食中毒などへの不安。正しく、安全に提供するためには、ボランティアの方たちにも正しい知識を身につけてもらいたいし、そんな中で、次世代のボランティアリーダーも輩出していきたいです。